TOP ― 木造・免震基礎 ― 第2章 試験体概要 2.4 衝撃実験装置

第2章 試験体概要 2.4 衝撃実験装置 

2.4.1 動作原理

今回の実験で使用した、衝撃実験装置を次頁図11,12,13に示す。試験装置の原理は、試験体を載せる台車があり、台車からワイヤで繋がれた重錘(450kg)が自由落下することにより台車は加速する。台車は加速後、一定距離(本実験では250mm)をほぼ等速運動した後、土台部分のストッパーと台車後方下部のストッパーとが衝突し台車に衝撃力が生じる。実験では、重錘の引き上げ高さにより、衝突直前の速度を調節している。台車の衝突部分には緩衝材としてゴムシートを設置しているので、一定のはね返り係数(衝突直前速度に依存)をもってはね返る。はね返り後は、車輪の摩擦と重錘―台車間のワイヤの張力により減速、停止する。また、台車が衝突時に土台部分が移動しないように、土台前方(重錘側)に反力壁としてH形鋼を地中に埋め、コンクリートで固めた。

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2.4.2 衝撃発生機構図

台車後部に番線をくくりつけ、それを土台後部の支柱に取り付けたレバーブロックにより重錘が所定の高さになるまで引き上げる。実験は番線を切断することにより開始する(図11-1)。
重錘の自由落下により台車は等加速度運動する。重錘は台車が衝突する250mm手前で地面に着地する(図11-2)。この後台車は空走距離(250mm)の区間を等速運動し台車側と土台側とのストッパーが衝突する。衝突時に衝撃力が台車に発生する(図11-3)。台車に発生した衝撃力は台車上に設置した試験体に伝わる。台車は衝突後、ある一定の跳ね返り係数で跳ね返り、ワイヤの張力と車輪の転がり摩擦により停止する(図11-4)。レールは水平であり、台車が跳ね返った後再びストッパーに衝突することは無かった。また、台車の衝突部分を後方に設置しているため、衝突による台車自身のロッキングは発生しない。
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